インターネットミュージアム

美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム www.museum.or.jp

   
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画

世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画

■秋田で生まれた革命的画法
【会期終了】 手前は極端に大きく、陰影を強調。後ろには遠景をぼかして描き、独特の空間構成は見る人に奇妙な感覚を抱かせます。東洋と西洋の美をブレンドした革命的な画法は、江戸からも京都からも遠く離れた秋田で生まれました。
秋田蘭画の中心人物が、秋田藩士の小田野直武(おだのなおたけ・1749-1780)。若い頃から画才豊かで、初期に描いた絵馬からも高い技術が伺えます。狩野派に学んだほか、浮世絵風の作品も伝わっています。

ただ、初期の作品は、さほど独自性は感じられません。直武の運命を変えたのが平賀源内との出会いでした。


第1章「蘭画前夜」

平賀源内は、日本のダ・ヴィンチと称される多彩の人。江戸に派遣された直武は、源内との交友を通じて西洋の学問=蘭学に触れ、大いに刺激を受けました。

源内も直武の才能を認め、『解体新書』の挿絵を描くことに抜擢。教科書で知られる『解体新書』の表紙は、直武が描いたものです。

南蘋(なんぴん)派の影響も忘れてはなりません。長崎に来航した中国人画家・沈南蘋(しんなんぴん)がもたらした写実的な画風は、当時の画壇に大きな影響を与え、直武は南蘋派の宋紫石(そうしせき)から技法を学びました。

蘭学から西洋画を、南蘋派から東洋絵画を身に着けた直武。双方の特性を理解した上で辿り着いた先が、秋田蘭画でした。


第2章「解体新書の時代~未知との遭遇~」、第3章「大陸からのニューウェーブ~江戸と秋田の南蘋派~」

展覧会のメインが、第4章の「秋田蘭画の軌跡」。直武や、秋田藩主の佐竹曙山(しょざん)、角館城代の佐竹義躬(よしみ)らによる秋田蘭画の傑作の数々が紹介されています。

佐竹曙山は第8代の秋田藩主。書画は武家の嗜みなので、絵が上手い大名もいますが、佐竹曙山は格別です。よほど絵が好きだったようで、日本で初めて西洋画論を書いたのもこの人です。佐竹義躬も絵画や俳諧に明るく、直武が角館出身という事もあって親しく交流していました。

写実的なモチーフ、強いコントラスト、奇妙な構図。美術史上の主流作品を見慣れた私たちからすると、どこか居心地が悪いようにも感じますが、これが秋田蘭画の最大の魅力です。


第4章「秋田蘭画の軌跡」

「美術史上の主流」と書きましたが、逆に秋田蘭画は、美術史的には異端として終焉します。直武は謹慎を命じられ、32歳(数え)で死去。平賀源内も同じころに獄死、佐竹曙山も少し後に亡くなり、秋田蘭画の主要人物はいなくなってしまいました。

直武から学んだのは、司馬江漢。ただ江漢は、秋田蘭画の枠のみに留まらず、銅版画や油彩画まで手掛けています。

忘れられた秋田蘭画に再び光が当たったのは、20世紀になってからです。秋田生まれの日本画家、平福百穂(ひらふくひゃくすい)が「日本洋画曙光」を著した事で、ようやく再評価がはじまりました。


第5章「秋田蘭画の行方」

展覧会サブタイトルの「世界に挑んだ7年」は、1773年に直武が平賀源内が待つ江戸に出てから、1780年に亡くなるまでの7年間。その輝きは短い期間でしたが、強烈な個性は現代の私たちにも響きます。

展覧会メインビジュアルの重要文化財《不忍池図》(秋田県立近代美術館蔵)は、12月12日(月)までの展示。描かれたポイント(上野・不忍池)は、最近ではミニリュウの巣(ポケモンGO)としても有名です。

※会期中に展示替えがあります。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年11月15日 ]

秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む秋田蘭画の近代―小田野直武「不忍池図」を読む

今橋 理子 (著)

東京大学出版会
¥ 7,020

料金一般当日:1,300円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon


■小田野直武と秋田蘭画 に関するツイート


 
会場サントリー美術館
開催期間2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月・祝)
所在地 東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア3F
TEL : 03-3479-8600
HP : http://suntory.jp/SMA/
展覧会詳細へ 世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画 詳細情報
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
取材レポート
2017年の展覧会予定(東京近郊・大阪近郊)
皇室がご覧になった展覧会
テレビでミュージアム
エリアレポーター
ニュース
一覧
イベント検索ランキング
江戸と北京-18世紀の都市と暮らし- クラーナハ展―500年後の誘惑 鷺宮地区遺跡群の発掘調査 企画展 桜花図譜と牧野富太郎
パロディ、二重の声 ――日本の1970年代前後左右 手形 Rikishi's palm print ゴールドマン コレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力 草間彌生 わが永遠の魂
博物館・美術館検索
人気の展覧会 ブログパーツ 「人気の展覧会」ブログパーツ
アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
ミュージアムキャラクターアワード2016 ミュージアムキャラクターアワード
結果発表!!
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鶏」
結果発表!!
パートナーサイト 関連リンク集

             

展覧会の情報登録
広告のお問い合わせ
Copyright(C)1996-2017 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
インターネットミュージアムは丹青グループが運営しております。
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社